APG-GOLFIT24

お知らせ

【インドアゴルフレンジ】世界基準のスイング解析器 GEARS GOLF 計測項目108つ🤞|計測項目<その4 >ゴルフパフォーマンスのレベルアップをしたい方 必見!!『Wrist(Grip) Movement(手関節の動き)』を知るとゴルフが上手くなる!!

Trunk(Core;体幹)の動きはスイングの安定性、再現性、エネルギー発揮などゴルフスイング全体に大きく影響を及ぼすパーツとなるためスイング構造を構築する上での重要なエレメントとなります。その為、現状のTrunk(Core) Movement(体幹の動き;回転量、前後運動量、左右移動量、傾き角度など)を正確に捉え自身のゴルフスイングへ的確にフィードバックをする必要性が求められております。

Wrist

Lead wrist set angle(左上肢手関節とクラブとの角度)

<Maximum wrist angle lag>

PGAツアープレーヤーのドライバーショットにおける Lead wrist set angle(左上肢手関節とクラブとの角度)のアベレージデータでは、アドレスで約134.43°、ミッドバックでは135.61°を示しアドレスより約1.18°ほどの増幅を示しました。トップオブスイングでは約85.43°を示しミッドバックからは約50.18°ほど Lead wrist set angle(左手関節の角度)が減少していることからミッドバックからトップオブスイングの間で大きくリストコッキング動作がなされていることが解りました。そして、トップオブスイングから Transition section(バックスイングからフォワードスイングへの移行セクション)を経て、P5(左腕が地面と平行になるポジション)の直前で Lead wrist set angle(左上肢手関節とクラブとの角度)は約77.84°を示し Maximum wrist angle lag(左上肢手関節とクラブとの鋭角位最大値)を計測しました。その直後から Lead wrist set angle(左手関節の角度)は徐々にリリースが始まり、ミッドタウン(P6)では約117.07°を示し、インパクトでは約153.41°の鈍角位最大値を示しました。アドレス時 Lead wrist set angle とインパクト時 Lead wrist set angle の差は約18.98°を示し、リリース率は114.11%(アドレス時 Lead wrist set angle ÷ リリース時 Lead wrist set angle)になることが計測されました。これは、Shaft Path Droop(シャフトの縦しなり、トウダウン) 由来の Passive torque による受動的現象が要因で発生する物理的現象によりアドレス時よりインパクト時の Lead wrist set angle が鈍角位に変位することが示されました。ゴルフスイングのドライバーショットにおいてアドレス時よりもインパクト時に『手元(グリップ)が浮く』という現象が何故、発生するかの問いに対するロジカルシンキングになると考察されます。また、PGAツアープレーヤーのドライバーショットにおける Lead wrist set angle(左上肢手関節とクラブとの角度)のアベレージデータにおいてのコッキング率は57.90%(Maximum wrist angle lag ÷ アドレス時 Lead wrist set angle)を示し、これはエネルギーを充分に出力することが可能であることとクラブを制御するという相反するパフォーマンスを同時に成立させることを可能とする1つの指標となると考察されます。

GEARS GOLF とは…?

GEARS GOLFの詳細はこちらをご参照ください😊

手関節の作用

手関節の骨格

前腕骨(橈骨・尺骨)

前腕(ぜんわん)

前腕とは、肘から手首までの部分をいいます。
前腕には2本の骨があり外側を橈骨(とうこつ)、内側を尺骨(しゃっこつ)と呼びます。
肘関節は曲げたり伸ばしたりできますが、手首を捻る動作もできます(回内:かいない 回外:かいがい)。
これは前腕に2本の骨があるため出来るのです。

橈骨

橈骨(とうこつ)

橈骨は前腕の外側に位置する長骨です。上部、中部、下部に分けることができます。
上部は小さく、下部は大きく肥厚しています。上部では肘関節、下部では手関節を作っています。
橈骨は上腕骨ほど、ランドマークは多くありません。

  • 橈骨頭(とうこつとう):上端の小さな円盤状の部位。上腕骨と関節を作る(腕橈関節:わんとうかんせつ)
  • 関節環状面(かんせつかんじょうめん):橈骨頭の側面の部分。尺骨と関節を作る(上橈尺関節:じょうとうしゃくかんせつ)
  • 橈骨頚(とうこつけい):橈骨頭の下の細くなった部位
  • 骨間縁(こっかんえん):橈骨の中間部は三角柱状になっており、内側にある縁。尺骨の骨間縁との間に前腕骨間膜(ぜんわんこっかんまく)が張られ、2つの骨は結合される。
  • 橈骨粗面(とうこつそめん):橈骨頚の下前内側にある卵円形の隆起
  • 茎状突起(けいじょうとっき):下端の外側にあり、下方に向かい突出する
  • 手根関節面(しゅこんかんせつめん):下端の下面にあり、手根骨と関節を作る

橈骨に付着する代表的な筋肉

尺骨

尺骨(しゃっこつ)

尺骨は前腕の内側に位置する長骨です。上部、中部、下部に分けることができます。
上部が大きく、下部にいくほど小さく細くなっていきます。
上部では肘関節、下部では手関節を作っています。
尺骨も上腕骨ほど、ランドマークは多くありません。

  • 肘頭(ちゅうとう):上端の後側にある。肘を曲げた時に後側で触ることの出来る、角張った部分。
  • 滑車切痕(かっしゃせっこん):上部にあるくぼみ。上腕骨滑車と関節して腕尺関節を作る。
  • 鈎状突起(こうじょうとっき):上端の前側にある。滑車切痕の下側の出っ張りになります。肘を曲げた時に上腕骨鈎突窩に入る。
  • 橈骨切痕(とうこつせっこん):鈎状突起の外側にある楕円形の関節面。
  • 尺骨粗面(しゃっこつそめん):鈎状突起のすぐ下の前面にあり、上腕筋が付着する。
  • 尺骨体(しゃっこつたい):三角柱状になっており、3つの面と縁がある。(前面・後面・内側面 前縁・後縁・骨間縁)
  • 骨間縁(こっかんえん):橈骨の骨間縁との間に前腕骨間膜(ぜんわんこっかんまく)が張られ、2つの骨は結合される。
  • 尺骨頭(しゃっこつとう):下端部にある鈍円状の軽いふくらみ
  • 茎状突起(けいじょうとっき):下端部の内側にある突起

尺骨に付着する代表的な筋肉

手関節の筋肉

前腕筋群|前腕部(屈筋群)

前腕の筋は上腕骨または前腕の骨から起こり、手の骨に付着し、手首または指を動かします。前腕の筋は「屈筋群(くっきんぐん)」と「伸筋群(しんきんぐん)※後述」に分けられます。屈筋はさらに「浅層(せんそう)」と「深層(しんそう)」に分けることも出来ます。

浅層(せんそう)

円回内筋(えんかいないきん)
撓側手根屈筋(とうそくしゅこんくっきん)
長掌筋(ちょうしょうきん)
浅指屈筋(せんしくっきん)
尺側手根屈筋(しゃくそくしゅこんくっきん)」

深層(しんそう)

深指屈筋(しんしくっきん)
長母指屈筋(ちょうぼしくっきん)
方形回内筋(ほうけいかいないきん)」

前腕の筋は全体が筋膜に包まれています。手首の部分では特に厚くなっており手掌側では「屈筋支帯(くっきんしたい)」、手背側では「伸筋支帯(しんきんしたい)」と呼ばれる靭帯となります。屈筋支帯は舟状骨、大菱形骨と豆状骨、有鈎骨の間に張り、そこはトンネルになっています。それを「手根管(しゅこんかん)」と呼び、腱や神経(正中神経)が走ります。手根管内の腱鞘が炎症などで腫脹すると、神経が圧迫されて障害を生じることがあります。(手根管症候群)

前腕屈筋群浅層

円回内筋

円回内筋(えんかいないきん)

起始:[上腕頭]上腕骨の内側上顆および内側上腕筋間中隔
   [尺骨頭]尺骨の鈎状突起。両頭は合して下方へ走る
停止:橈骨の前面および外側面(回内筋粗面)
作用:前腕を回内し、肘関節を屈する
神経:正中神経

円回内筋は2頭筋で、上腕骨と尺骨に起始を持ちます。その間を正中神経が通過します。

撓側手根屈筋


撓側手根屈筋

(とうそくしゅこんくっきん)

起始:上腕骨の内側上顆、前腕筋膜から起こり、斜めに下橈側方に向かう
停止:前腕中央部のやや下方で他の筋から離れ、大菱形筋と放線上手根靭帯とによって出来た管を通って、第2、第3中手骨底の掌側につく
作用:手根をまげ、前腕を回内する
神経:正中神経

早口言葉のようなこの筋は、他にも同じような名前を持つ筋があります。
「撓側」とは「橈骨側」で、「手根」は「手根骨または手根部」、「屈筋」は「屈曲筋」のことですので、意外と理解しやすい名前が付けられています。

この筋は「浅指屈筋(せんしくっきん)※後述」「深指屈筋(しんしくっきん)※後述」と違い、停止は第2、第3指のみになります。

長掌筋

長掌筋

(ちょうしょうきん)

起始:上腕骨の内側上顆、前腕筋膜から起こり、撓側手根屈筋の尺側にそって下る
停止:手掌腱膜
作用:手掌腱膜を緊張させ手を曲げる
神経:正中神経

長掌筋は必要のない筋と言われています。
手首の屈曲に関わる筋ですが、撓側手根屈筋と尺側手根屈筋も手首の屈曲に参加します。長掌筋はその力が弱く役に立っていません。
長掌筋は生まれつきない人も数%いるとされておりますが、ほとんど影響がないようです。
しかし他の腱が損傷したとき、その移植に使われることもあります。

長掌筋だけが手根管を通らず、屈筋支帯の上を通過します。

尺側手根屈筋


尺側手根屈筋

(しゃくそくしゅこんくっきん)

起始:[上腕頭]上腕骨の内側上顆
   [尺骨頭]肘頭、前腕筋膜、尺骨中部までの後縁。両頭は合して、長掌筋の尺側に沿い、前腕前面の最内側を下り、前腕の半ばごろから細い腱となる
停止:豆状骨、さらに有鈎骨および第5中手骨底
作用:手根をまげ、同時に手を(尺側に)内転する
神経:尺骨神経

前腕の最も内側を通ります。この筋も上腕骨と尺骨に起始を持ちます。

浅指屈筋


浅指屈筋

(せんしくっきん)

起始:[上腕尺骨頭]上腕骨の内側上顆、尺骨粗面の内側
   [橈骨頭]橈骨の上方前面。2頭は合して幅の広い筋膜を作り、撓側手根屈筋および長掌筋の下を下行して4本の腱に分かれ、上・下の2束となる
停止:上束は第3、第4指にゆく腱となり、下束は第2、第5指にいく腱となる。4腱はいずれも屈筋支帯の下にある手根管を通って手掌に行く。各腱は基節骨の拳面で深指屈筋の腱に貫かれ、2脚に分かれて中節骨底の拳面につく。このとき、腱束の一部は交叉して腱交叉をつくる
作用:第2~第5指の中節を屈する
神経:正中神経

浅指屈筋の起始は「上腕尺骨頭」と「橈骨頭」になります。上腕尺骨頭は上腕骨内側上顆と尺骨粗面から起こります。

幅広い筋腹は4つの腱に分かれ、第2~第5指の中節骨底に付着します。
腱は付着する直前で二股に分かれ、その下を深指屈筋腱が通過します。

前腕屈筋群深層

深指屈筋


深指屈筋

(しんしくっきん)

起始:尺骨前面上方2/3、前腕骨間膜から起こり、4筋腹に分かれ次いで腱に移行する
停止:4本の腱は、いずれも手根管を通って手掌にいき浅指屈筋の腱裂孔をくぐって第2~第5指末節骨の底につく。第3,4,5指に行く3腱は1つの共通頭から出て、第2指の腱は単独な筋束から起こ
作用:第2~第5指の末節を屈する
神経:正中神経、尺側の一部は尺骨神経

浅指屈筋の深い層を走行し、第2~第5指の末節骨亭に付着します。
浅指屈筋は中節骨底に付着しますので、二股に分かれた浅指屈筋腱の間から末節骨に行きます。

長母指屈筋


長母指屈筋

(ちょうぼしくっきん)

起始:回外筋付着部の下方で、橈骨の前面および前腕骨間膜から起こり、半羽状筋の形をなして腱に移り、深指屈筋の橈側に沿って下る。
停止:付着腱は手根管をへて手掌に現れ、母指末節骨の底につく
作用:母指末節を屈する
神経:正中神経の前(前腕)骨間神経

ここのカテゴリーの中で唯一母指に付着し、母指末節骨の屈曲を行います。

方形回内筋


方形回内筋

(ほうけいかいないきん)

起始:尺骨の下方1/4の前面から起こり、撓側に向かって横走する
停止:橈骨下部の前面につく。下橈尺関節を被う
作用:前腕を、尺側方に回旋する
神経:正中神経の前(前腕)骨間神経

方形回内筋は上腕骨と手根骨または手の骨に付着しません。
通常の回内で働き、強い回内には円回内筋が働きます。

 前腕部(伸筋群)

前腕部の筋(伸筋群)

前腕伸筋群の多くは、上腕骨の外側上顆に起始を持ちます。

外側上顆は複数の筋の起始になるので、そこにかかるストレス(牽引力)も大きくなります。
そこに炎症が起きると「テニス肘」や「外側上顆炎」と呼ばれます。
※ただテニス肘には肘筋も関与しています→「肘筋(ちゅうきん)」参照

 腕撓骨筋(わんとうこつきん)
 長撓側手根伸筋(ちょうとうそくしゅこんしんきん)
 短撓側手根伸筋(たんとうそくしゅこんしんきん)
 指伸筋(ししんきん)
 小指伸筋(しょうししんきん)
 尺側手根伸筋(しゃくそくしゅこんしんきん)
 回外筋(かいがいきん)
 長母指外転筋(ちょうぼしがいてんきん)
 長母指伸筋(ちょうぼししんきん)
 示指伸筋(じししんきん)

前腕伸筋群

腕撓骨筋


腕撓骨筋

(わんとうこつきん)

起始:上腕骨外側縁の下部、外側上腕筋間中隔から起こり、橈側前方に向かって弓状に突隆する筋腹を作って長い腱に移り、前腕の撓側に下る
停止:橈骨の茎状突起の上方(母指筋と交叉する)
作用:前腕を屈するとともに、これをわずかに外転する
神経:橈骨神経

腕撓骨筋は肘を屈曲する作用がありますので本来なら屈筋群に入りますが、発生学的に見て伸筋群に入れられます。

正面に立って腕を自然におろし、手のひらを正面に向けた姿勢を「解剖学的肢位(かいぼうがくてきしい)」と呼びます。その肢位で前腕外側部に大きな膨らみを持つのが腕撓骨筋です。

筋皮神経に麻痺が起きて上腕二頭筋、上腕筋が働かなくなっても、腕撓骨筋が働くことで肘の屈曲が可能になります。

この筋は橈骨に付着するので手首の運動には関与しません。

親指を上に向けた状態で肘を屈曲することで、この筋が明瞭になります。

長撓側手根伸筋


長撓側手根伸筋

(ちょうとうそくしゅこんしんきん)

起始:腕撓骨筋の下方で、上腕骨の外側縁、外側上顆および外側上腕筋間中隔から起こり、長い腱となって前腕の撓側を腕撓骨筋の後側に沿って長母指外転筋と短母指伸筋との下をこれと交叉して通り次いで伸筋支帯の第2管をへて手背に出る
停止:第2中手骨底の背面
作用:手根を伸ばすとともにこれを外転する
神経:橈骨神経

「撓側」から「手根」に伸びる「伸筋」という意味の名前です。
下記の「短」に対して「長」とつきます。「撓側手根伸筋」は2つあるということです。
長い名前ですが覚えにくいことは無いと思います。

「長」は第2中手骨底に付き、「短」は第3中手骨底に付きます。

短撓側手根伸筋


短撓側手根伸筋

(たんとうそくしゅこんしんきん)

起始:上腕骨の外側上顆、橈骨輪状靭帯およびこの筋と(総)指伸筋との間にある腱板から起こり、長撓側手根伸筋腱の後ろにそって下り、腱となって伸筋支帯の下の第2管を通り手背に出る
停止:第3中手骨の底
作用:手根を伸ばし、同時にこれを外転する
神経:橈骨神経深枝

「長」に対しての「短」撓側手根伸筋です。

指伸筋


指伸筋

(ししんきん)

起始:短撓側手根伸筋とともに共通頭(この共通頭は上腕骨の外側上顆および前腕筋膜から起始する)から起こり、前腕の後面下部では筋腹は4本の腱に分かれ、伸筋支帯の下の第4管を通って手背に出る
停止:第2~第5指の背側で指背腱膜に移るが、腱の末端は基節骨の底で3つに分かれ、その中央のも
のは中節骨の底に付き、両側のものは末節骨の底につく
作用:第2~第5指を伸ばし、同時に手根を伸ばす
神経:橈骨神経深枝

指伸筋は第2~第5指の中節骨、末節骨に付着します。
「ボタン穴変形」や「マレットフィンガー」と呼ばれる指の損傷(変形)に関わってきます。

尺側手根伸筋


尺側手根伸筋

(しゃくそくしゅこんしんきん)

起始:[上腕頭]上腕骨の外側上顆、肘関節の撓側側副靭帯
   [尺骨頭]尺骨の後面から起こって、前腕後面の最も尺側を下り、伸筋支帯の第6管を通って手背に出る
停止:第5中手骨底の背面
作用:手根を伸ばし、同時に尺側背屈をなす
神経:橈骨神経深枝

伸筋の中で最も内側に位置します(解剖学的肢位)。
第5中手骨底に付着するので、手首の伸展の他に尺屈(尺骨側に曲げる)も行います。

回外筋


回外筋(かいがいきん)

起始:上腕骨の外側上顆、撓側側副靭帯、橈骨輪状靭帯、尺骨の回外筋稜から起こり、前腕(上部)後面の深部を撓側下方に向かう
停止:橈骨の後面をまわり、橈骨上端1/3の撓側面で、円回内筋付着部の上方につく
作用:前腕を回外する
神経:橈骨神経深枝

長い筋が多い伸筋群の中で短めの筋です。
上腕骨の下部から橈骨の上部に付着しますので手首の運動には参加しません。

上腕二頭筋とともに回外の動作をします。

長母指外転筋


長母指外転筋

(ちょうぼしがいてんきん)

起始:尺骨の骨間縁、前腕骨間膜、橈骨後面から起こり、短母指伸筋とともに相ならんで下撓側方に斜めに走り、前腕下部で長および短撓側手根伸筋腱の上を撓側下方に進み、腱に移行して伸筋支帯の下の第1管を通って手根の母指側にいく
停止:第1中手骨の底につく
作用:母指を外転し、かつ手を撓側に屈する
神経:橈骨神経深枝

「母指〇〇筋」など筋名に「母指」とつくものはいくつかありますので、こんがらがりやすい筋の1つです。

長母指外転筋は指骨(基節骨、末節骨)に付着せず、中手骨に付着します。

短母指伸筋


短母指伸筋

(たんぼししんきん)

起始:前腕骨間膜・橈骨から起こり、長母指外転筋と一緒になって下撓側方に斜めに走り、前腕下部で長および短撓側手根伸筋の腱の上を交叉しつつ撓側下方に向かい、腱に移行し伸筋支帯の下にある第1管を通って手根の母指側にいく
停止:母指基節骨の底
作用:母指基節を伸ばし、母指を外転する
神経:橈骨神経深枝

短母指伸筋も母指に付着します。この筋は基節骨に付着しますので、上記の長母指外転筋より遠位に付着します。

※「ド・ケルバン病」
長母指外転筋腱と短母指伸筋腱は、橈骨の茎状突起という硬い骨の上を通過します。
母指は指の中でも特に仕事量の多い指です。
長母指外転筋腱と短母指伸筋腱が硬い茎状突起の上を繰り返し通過することで摩擦が起き、その結果炎症を起こします。

長母指伸筋


長母指伸筋

(ちょうぼししんきん)

起始:前腕骨間膜、尺側手根伸筋筋膜から起こり、長母指外転筋および短母指伸筋の尺側を下行しつつ腱となり伸筋支帯の第3管を通って手背に出る
停止:母子末節骨の底につく
作用:母指を伸ばす
神経:橈骨神経深枝

長母指外転筋や短母指伸筋の内側を走行します。

母指を伸展させると、長母指伸筋腱と短母指伸筋腱が浮き出ます。両腱の間にくぼみができ、そこを「タバコ窩(たばこか)」や「スナッフ・ボックス」と呼びます。

示指伸筋


示指伸筋(じししんきん)

起始:前腕骨間膜、尺骨の後面、尺側手根伸筋筋膜から起こって、長母指伸筋の尺側をこれと並行して下り、(総)指伸筋腱とともに伸筋支帯下の第4管を通って手背に出る
停止:第2指に行き、(総)指伸筋の第2指腱とともに指背腱膜に移行する
作用:示指を伸ばす
神経:橈骨神経の後骨間神経

示指伸筋も小指伸筋と同じように、指伸筋とともに示指の伸展に働きます。

小指伸筋


小指伸筋

(しょうししんきん)

起始:小指伸筋筋膜から起こり、(総)指伸筋の第4腱の尺側に沿って下り、伸筋支帯の下の第5管を通り手背に出る
停止:小指の背側で、2つに分かれて指背腱膜に移る
作用:小指を伸ばす
神経:橈骨神経深枝

小指伸筋は小指を伸ばす筋です。
指伸筋も小指に付着していますので、小指(示指伸筋も※後述)には2本の筋(腱)が付着します。
ワイングラスを持つときなど無意識に小指が立ってしまうのは、強く握らないようこの筋が働いているかもしれません。

手の筋

手の筋

手の筋は「母指球部」「小指球部」「中手筋部」に分けられます。

母指球筋(ぼしきゅうきん)
 短母指外転筋(たんぼしがいてんきん)
 短母指屈筋(たんぼしくっきん)
 母指対立筋(ぼしたいりつきん)
 母指内転筋(ぼしないてんきん)

小指球筋(しょうしきゅうきん)
 
短掌筋(たんしょうきん)
 小指外転筋(しょうしがいてんきん)
 短小指屈筋(たんしょうしくっきん)
 小指対立筋(しょうしたいりつきん)

中手筋(ちゅうしゅきん)
 虫様筋(ちゅうようきん)
 掌側骨間筋(しょうそくこっかんきん)
 背側骨間筋(はいそくこっかんきん)

母指球筋は母指の付け根の膨らみを作り、小指球筋は小指の付け根の膨らみを作ります。
中手筋はそのあいだのくぼみを走っています。
これらの筋は手根骨より遠位に起始と停止を持っています。

手根管症候群で正中神経麻痺が起こると、母指球筋と小指球筋が萎縮します。猿の手のようにみえるためその状態を「猿手(さるて)」と呼びます。

母指球筋

短母指外転筋


短母指外転筋

(たんぼしがいてんきん)

起始:舟状骨粗面および屈筋支帯の撓側端前面から起こり、撓側下方に向かう
停止:第1中手骨頭の撓側種子骨および母指基節骨の底
作用:母指を、他の指から遠ざける
神経:正中神経

母指球の最も撓側にあり、母指の外転をします。※母指を第2指(示指)から遠ざけます。

短母指屈筋


短母指屈筋

(たんぼしくっきん)

起始:[浅頭]屈筋支帯の撓側端
   [深頭]大・小菱形骨、有頭骨
停止:[浅頭]母指中手骨頭の撓側種子骨、母指基節骨底
   [深頭]母指中手骨頭の尺側種子骨、母指基節骨底
作用:母指基節を曲げる
神経:[浅頭]正中神経
   [深頭]尺骨神経掌枝の深枝

浅頭と深頭の2頭を持ちます。
浅頭は正中神経、深頭は尺骨神経の支配を受けます。

母指対立筋


母指対立筋

(ぼしたいりつきん)

起始:屈筋支帯、大菱形骨結節から起こり、撓側下方へ向かう
停止:第1中手骨の体および頭
作用:母指を、小指の方に引く
神経:正中神経

母指外転筋に被われ、主として物をつかむ時に働きます。

母指内転筋


母指内転筋

(ぼしないてんきん)

起始:[斜頭]屈筋支帯および第2、第3中手骨底の掌面から起こる[横頭]第3中手骨掌面の全長から起こる 両頭は、撓側方および撓側下方に向かう
停止:両頭は合して、母指の基節骨および第1中手骨頭の尺側種子骨につく
作用:母指を、小指の方に引く
神経:尺側神経掌枝の深枝

横頭と斜頭の2頭を持ちます。
母指を第2指(示指)に近づける動作をします(内転)。

小指球筋

短掌筋

短掌筋

(たんしょうきん)

起始:手掌腱膜の尺側縁から起こり、尺側方に向かう
停止:手の尺側縁皮膚
作用:手掌腱膜を緊張させ、小指球の皮膚にしわをつくる
神経:尺骨神経掌枝の深枝

小指球最表の皮下を、横に走る薄い筋です。

小指外転筋


小指外転筋

(しょうしがいてんきん)

起始:豆状骨、屈筋支帯から起こり、手掌の尺側縁を下方に向かう
停止:小指基節骨底の尺側の種子骨
作用:小指の外転、すなわち小指を、第4指から離す
神経:尺骨神経掌枝の深枝

小指球の内側縁を構成します。

短小指屈筋


短小指屈筋

(たんしょうしくっきん)

起始:屈筋支帯、有鈎骨鈎から起こり、尺側下方に向かう
停止:小指外転筋の腱と合して、小指基節骨底の尺側の種子骨
作用:小指の基節を屈する
神経:尺骨神経掌枝の深枝

小指対立筋


小指対立筋

(しょうしたいりつきん)

起始:屈筋支帯、有鈎骨鈎から起こり、尺側下方に向かう
停止:第5中手骨尺側縁の体および頭
作用:小指を、母指および手掌に近づける
神経:尺骨神経掌枝の深枝

小指外転筋および短小指屈筋に被われ、母指対立筋と協力して物をつかむ時に働きます。短小指屈筋の起始と同じです。

中手筋


末梢性の尺骨神経麻痺では虫様筋や骨間筋の著明な萎縮が起こります。

その状態を「鷲手(わしで)」と呼びます。

虫様筋


虫様筋(ちゅうようきん)

起始:第1虫様筋は1頭で第2指にゆく深指屈筋腱の撓側、第2~第4虫様筋はそれぞれ2頭をもって第2~第5指に至る深指屈筋腱の対向側
停止:第2~第5指の基節骨の外側縁、ここで(総)指伸筋の腱と結合し、指背腱膜に移行する
作用:第2~第5指の中節骨および末節骨を伸ばし、基節骨をまげる
神経:撓側の2筋は正中神経、尺側の2筋は尺骨神経掌枝の深枝

円柱状の小さな筋で4個を数え、深指屈筋から出て遠位方に向かいます。

掌側骨間筋


掌側骨間筋(しょうそくこっかんきん)

起始:第1掌側骨間筋は第2中手骨の尺側から、第2および第3掌側骨間筋は第4および第5中手骨の撓側から出て、下方に向かう
停止:それぞれ起始する中手骨の同側で第2、第4および第5指の基節骨に付き、一部はその指の指背腱膜に合する
作用:第2、第4、第5指を中指に近づけ、基節骨を屈し、同時に中節および末節を伸ばす
神経:尺骨神経掌枝の深枝

単頭、3個あって、いずれも中手骨の掌側面から起こり手掌に向かいます。

背側骨間筋


背側骨間筋

(はいそくこっかんきん)

起始:2頭をもって第1~第5中手骨の相対する底の側面から起こり、遠位方に向かう
停止:第2~第4指の基節骨底と指背腱膜、詳しくいえば第2、第3指の撓側と、第3、第4指の尺側
作用:第2および第3指を撓側方に引き、第3、第4指を尺側方に引く
神経:尺骨神経掌枝の深枝

中手骨の間隙を充たし、4個を数えるます。

まとめ

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